HPFhito69・ビール文化を語るサッポロビール北海道本社代表高島英也氏

 月1回の勉強会「eシルクロード大学」をサッポロファクトリーの会場で行っている。勉強会終了後は同商業施設にある「ビアケラー札幌開拓使」でビールを飲んでいる。サッポロビールの北海道本社はサッポロファクトリーに入居しており、同社代表の高島英也氏のパノラマ写真インタビューの待ち合わせ場所は、このビアケラーの名前のつくレストランであった。なおビアケラーとはビールを保管しておく地下室の意味のドイツ語である。
 ビールで思い出す国はまずドイツである。札幌の姉妹都市のミュンヘン市もビールで名高いドイツの都市である。今回高島氏の取材で、在札幌ドイツ連邦共和国栄誉領事事務所がサッポロビール北海道本社に併設されているのを知る。高島氏の名刺には書かれていないけれど、高島氏はドイツ連邦共和国名誉領事ということになる。ただ、この名誉領事事務所は、以前北海道電力内にあったものが最近サッポロビール北海道本社の方に移ってきている。
 高島氏は本社に自分の部屋は特に持っておらず、大部屋に社員と机を並べているので、名誉領事事務所でパノラマ写真を撮らせてもらう。インタビューの方は、前述のビアケラーで北海道限定のビールを飲みながら行う。
 高島氏は1959年に福島県保原町(現伊達市)に生まれている。東北大学に進学し農学部農芸化学を専攻し、卒業後サッポロビールに就職している。就職時にはサッポロビールの他に他社の選択肢もあったけれど、サッポロビールを選んでいる。他社でなくサッポロビールを選んだ理由を聞いてみる。面接でサッポロビールの社長の耳を見ると、ラクビーをしたことのある人の耳に似ていて面白そうであったから、といったような話をされた。因みに氏は学生時代にラクビーの選手であった。社員とスクラムを組んで力で相手企業を押し込む現在の立場は、ラクビーの試合を続けている気持ちであるのかもしれない。
 高島氏の企業家としてのこだわりは、同社発祥の地の北海道に収れんする。大麦、ホップ、銘柄によっては米を全て道産のものを用いて造る。道民に愛飲されるビールにして、販売でも北海道地域ではシェアのトップを堅持する。ビールに道産米というこだわりも他社では聞いたことがない。銘柄によっては、米に豊富なデンプンをビールの副原料として用いるとのことである。高島氏はビールの製造部門に長らく携わってきており、氏にビールの話を聞くとビール通になりそうである。
 高島氏は日本ビール文化研究会を立ち上げている。この研究会では「日本ビール検定」も行っていて、北海度の受験者は高成績を収めているとのことである。
ビール文化についても話は展開する。会合で最初の飲物は決まってビールになる。乾杯でもビールのコップを片手となり、最初の飲物がビールと決まっているのは一つの文化かもしれない。文化とは暗黙の了解事項が要素を構成している。ビールに合う料理となれば食文化につながっていく。ただ飲むだけではなく、ビールをもっと知る必要がありそうだ。ビール検定もそう思った人が受けているのだろう。
 現在54歳の高島氏に退職後にしてみたい事をきいても的外れ思いながら聞いてみる。意外なことに幼稚園を経営してみたいとの答えが返ってくる。氏の幼稚園時代の原体験が、幼い頃からの人材養成をしてみたい、という思いにつながっているようである。動物を見るのも好きで、時間が取れると円山動物園に行き動物を眺めるそうである。シマフクロウの話も出ていて他から薦められた訳でもなく、一人で考えて「北海道シマフクロウの会」に入会したそうである。今度フクロウの写真を撮って、俳句もどき(爪句)と説明文の原稿を集めて最終的には爪句集豆本を出版する話をしたら、原稿を出してもらえそうであった。


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