NPO北海道地域ネットワーク協議会(NORTH)が創立20周年を迎えるということで、記念のシンポジウムが2月(2014年)の中旬に北大学術交流会館で開かれた。同会会長の札幌医大教授辰巳治之先生から記念特別講演を頼まれ、「北海道パノラマ写真風土記プロジェクト」と題した講演を行った。
以前筆者は北海道コンピュータグラフィックス協会を立ち上げ、1987年に「札幌国際コンピュータグラフィックスシンポジウム」の第1回目を開催した。これは前年に創設された(財)札幌エレクトロニクスセンターの1周年記念行事の一環でもあった。このシンポジウムはその後毎年1回で8回行われ、1995年には「インターメディアシンポジウム」と名前を変えている。国際CGシンポジウムの2回目には辰巳先生も大阪から参加で、この時の先生の所属は阪大医学部となっている。
同シンポジウムの4回目では辰巳先生の所属は札幌医科大学と記されていて、先生は前年(1989年)には札医大に移られている。医学部での専門分野は解剖学と聞いているけれど、情報やネットワークの分野で活躍されているのが前面に見えてきて、医学部の先生という感じがしない。それでも「情報薬」といった話では、情報通信技術を積極的に用いて患者の治療に当たろうとしていて、本業は医学である点を確認させてくれる。
今回のシンポジウムは、辰巳先生の医学やネットワーク関連分野の人脈を動員して行われている。種々の団体にも関与していて、「札幌シニアネットワーク」の顧問として同団体を支援している。同団体は会員が600人ほど居て、常時何かの活動が行われているそうである。超高齢化社会に薬効のある「情報薬」の治験とも考えられる。
講演会前に学術交流会館ホールで辰巳先生のパノラマ写真を撮る。丁度室蘭工大名誉教授の久保洋先生が受付のところに現れたので久保先生にもパノラマ写真に入ってもらう。久保先生は1967年北大工学部精密工学科を卒業していて、筆者は学年では3年上になる。電子工学科と精密工学科は当時新しくできた学科で、事務が共通であった。久保先生とは当時顔を合わせていたことになるけれど、この点に話が及んでもこれといった具体的な記憶がない。
久保先生とは1985年に北海道拓殖銀行が主催した「米国先端産業集積地域調査団」に団員としてご一緒した。この時の久保先生の所属は室蘭工大産業機械工学科教授である。当時の久保先生の研究テーマがどんなものであったかは知らないが、室工大を定年退職される頃は情報工学科所属で「感性工学」が研究テーマであった。
室工大退職後は感性工学の研究成果を企業化しようと合同企業「ノースラボ」を立ち上げておられる。同社の商品として化粧水やクリームが並んでいて、感性工学とはこんな範囲にも及ぶものかと意外な感じがした。久保先生は70歳を超えても、研究成果を企業化する熱意は消えていないようである。
(左端:久保洋先生、右隣:辰巳治之先生)
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