HPFhito42・JR札幌駅のエカシ像前に立つ鶴雅グループ社長大西雅之氏

 北海道観光の宿泊で評判の高い鶴雅グループを率いる大西雅之社長とは、何かの委員会で顔を合わせている。しかし、かなり以前のことでもあり、どんな会合であったのか記憶が定かでない。最近は北洋銀行会長横内龍三氏の主宰する「北海道シマフクロウの会」の設立総会で、たまたま大西氏の隣の席に座った。その席で、当方の北海道功労賞受賞の記念品として配るものに、北海道らしいもの、例えばシマフクロウに関した小物がないか、と相談している。
 大西氏のパノラマ写真を撮りたいものだと思っていても、氏の本拠地が阿寒町で、加えて出張も多そうで、これは無理かと思っていた。ところが、今年(2014年)の2月2日に、札幌大学副学長の本田優子先生が進めてきたアイヌの長老・エカシ全身の木彫像をJR札幌駅西コンコースに設置するお披露目のセレモニーがあった。大西氏は来賓の一人として出席されていて、北海道観光振興機構の副理事長として挨拶された。
 この機会に大西氏のパノラマ写真を撮ることを試みる。今回のセレモニーの主役の本田先生にも並んでもらって、パノラマ写真によるツーショットである。報道陣や見物人が取り巻くところでのパノラマ写真撮影は難しい。それでも撮影写真を張り合わせて、どうにか見られるパノラマ写真となる。大西氏と本田先生が並んだところのパノラマ写真は記念すべき一枚として残るだろう。
 ホテルは泊まることはあっても、経営に関する知識は皆無で、大西氏にホテル業に関連して問いかける質問は思いつかない。穏やかな人柄で、これはホテル業という性質上そうなのか、職業を離れてまったく個人的なことなのか、判然としない。ホテル業にITを取り入れ、多様化する客のニーズに対応させ、質の向上を目指すこと心掛けているとインターネットで氏のインタビューを読んだ。しかし、それに類する話をご本人の口から直に聞いたことはない。
 日本の人口減少時代に向かって、ホテル業界は地域間競争が激化する。客を呼び込む地域の魅力は何か。北海道が優位に立つ自然と食。文化はどうか。和人の文化は歴史が浅くても、アイヌ文化がある。これをもっと知ってもらい、民族の共生に生かしてゆくことが結果的に観光産業への寄与となって帰ってくる。この点でアイヌ文化研究家の本田先生と共有するものがあり、今回エカシ像を挟んでのパノラマ写真撮影につながっている。


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