筆者は以前に北海道新聞の夕刊コラム「魚眼図」や朝刊に掲載される「朝の食卓」の執筆者であったことがある。さらに同社出版センター(以前は出版局)から都市秘境に関する本も出版しており、北海道新聞社はご縁のある新聞社である。同社の顔見知りは新聞記者や編集者といったところで、新聞社の上層部とは仕事の上で知り合いになる機会はなかった。
札幌市内の都心部のホテルで月1回行われる朝食会のメンバーに北海道新聞社専務の岡田実氏がおられ、講師で新聞の将来に関するお話をされたことがあった。来年(2014年)春に予定されている消費税アップで、3千円台にかろうじて留まっている購読料が、消費税をそのまま上積みすると4千円台になってしまう。この値上げの心理的効果が大きく、販売部数減少に拍車がかかるのではないか、との心配を吐露されていた。
その岡田氏にパノラマ写真の説明するため、役員応接室に出向く機会があった。前から役員室のフロアには彫刻や絵画の美術品があると漏れ聞いていたので、それを取材するのも訪問の目的に加えて出かけた。役員室のあるフロアに入るのは今回が初めてである。
役員室につながる廊下部分は広く彫刻が並んでいる。応接室にも佐藤忠良や安田侃の作品が置かれてある。岡田氏や各部局の責任者が並んで座っているところでパソコンやスマホを使ってパノラマ写真の説明を行う。部屋に入ってすぐにパノラマ写真の説明に入ったので、彫刻や絵の取材をする余裕は無かった。
新聞が技術革新で抱え込んでいる課題として、紙の新聞と電子新聞の棲み分けをどのように行っていくかがある。多分紙と電子のハイブリッド新聞が現れてきて、パノラマ写真などもそれを補強する技術の一つではなかろうか、等の説明を行った。説明のついでに筆者の人間三脚方式のパノラマ写真撮影の実演を行う。
帰りがけに役員室がつながるフロアで岡田氏を入れたパノラマ写真を撮る。筆者の話を聞いてもらった小野秀司氏、佐藤淳治氏、山本潤氏らもパノラマ写真に写っている。今回はパノラマ写真に関する話で精一杯で、フロアに並んでいた彫刻や絵画の取材は出来ず仕舞いであった。次の機会があれば、これらの作品に近寄ってパノラマ写真撮影を行ってみたいものだと思った。
(役員室前廊下での岡田実氏)
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