HPFhito14・教育長室の町田隆敏札幌市教育長

 人は生きるための糧を得るため職業人となる。職業人は社会人と言い換えてもよい。職業人あるいは社会人は他人に自分の仕事を話す時、関わっている具体的対象を主に語るか、組織等における役職を前面に出してくるかに大別できそうである。
 研究者は何を研究しているか、営業マンなら何を扱っているのかがポイントで、研究者とか営業マンとかだけ言われても雲をつかむような話である。何々のプロと表現される人は、その何々についての知識とそれを基にした創造性や実行力があると他からは期待される。
 これに対して組織の長とか経営者は、その立場が先に来て、その組織や会社の内容が後追いでも、その人の立場は理解できる。一般論で、役所では若い時には専門性が要求され、組織の上の方に行くと組織を維持する方に力点が置かれて人が当てはめられる。当てはめられた人はその役どころをこなしていく。
 町田隆敏氏は長いこと札幌市の経済産業分野で仕事をされて来られたので、その方面での人脈がある。特に札幌市が1970年代に地元の情報産業育成に乗り出した頃、市と産業界や大学との接点となる場におられ、経済産業畑の役人のイメージを強く引きずっている。
 筆者が北海道のIT産業の育成に功があったとして、2013年度の北海道功労賞を高橋はるみ北海道知事より贈呈された。その記念誌発行に当たって、筆者のことを紹介する執筆陣のお一人として町田氏に加わってもらった。執筆内容についての打ち合わせで伺った時は、町田氏は札幌市の教育行政のトップに居られた。正直なところ、経済・産業と教育行政がスムーズにつながらない。しかし、組織の長という点では違和感がなかった。
 市の教育行政は教育委員長をトップにした教育委員会があり、それを支えて教育行政組織が存在し、その長が教育長となる。教育委員長と教育長の役割分担など、一般市民にはよくわからない。教育委員会は市庁舎のどこかにあるのだろうと漠然と思っていると、民間の企業の名前がつき、多分その企業が所有するビルの中にあって、意外な感じである。
 札幌市教育委員会の目立つ看板もないビル内で町田教育長とお会いする。長年にわたっての顔見知りで、やはり教育よりは経済・産業の顔を見てしまう。多分近年の教育における問題への対応に頭を使われているのだろうけれど、筆者の方は情報技術に関連した研究者と教育者の顔で話をする。
 筆者の紹介は過去の業績ではなく、退職後始めた「爪句」やパノラマ写真に関連して、生涯学習の観点から紹介してみたい、との町田氏のお話である。教育行政の目配りは生涯教育にも注がれているのかと、人=f(立場)(人の評価の関数値は立場という変数によって決まる)という方程式が頭に浮かぶ。
 教育長室を見るのは初めてなので、執務状況が伝わるようなパノラマ写真を撮る。でも、考えてみると、筆者も今やパノラマ写真家を自称していることもあって、死ぬまで何かの対象一筋の研究を続けるという筋金入りの研究者でもなく、昔の筆者を知っている人は現在の筆者を見て違和感を覚えるかもしれない。


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HPFhito13・副市長室の秋元克広札幌副市長

 札幌市や他都市の行政組織では、職員が係長といった役職に留まることは比較的長く続くようで、部署名が変わっても役職の方はそのままというのを多く見かける。これが室長とか局長とかになった人は役職がどんどん変わってくるようで、顔は以前のままでも差し出された名刺で、役所内での立場が大きく変わっているのに気づく。
 秋元克広札幌副市長もそのような一人で、何かの席で急に副市長で現れた感じである。若い時市の経済産業に関わる仕事をされていて、札幌市の情報産業育成に関連してお会いしたような記憶があるけれど、はっきりしたものではない。
 秋元氏が副市長になられてから予期もしていなかった場所でお会いした。夕張市のシューパロダムの建設工事現場である。ダム工事現場が一般に公開された見学会で、秋元副市長は夕張市出身の縁で見学会に参加していた。見学会には夕張市長も来られていて、市は異なるけれど市長、副市長に並んでもらってパノラマ写真を撮る。
 この時の秋元副市長との雑談で、上田文雄札幌市長のパノラマ写真を市長室で撮りたいと打診してみた。副市長は素早く対応してくれて、上田市長のパノラマ撮影が実現した。この撮影日に秋元副市長室にも案内され、この機会を利用して副市長の執務している様子をパノラマ写真に収めた。
 副市長室も市長室より狭いもののスペースのある部屋である。市庁舎10階の南向きなので大通公園を見下ろすことができ、眺めが良い。秋元副市長の統括する局等には経済局や観光文化局が含まれ、あるいはこれからもその分野の何かの会で顔を合わせることになるかも知れないと、頭の隅で予測した。
(札幌市庁舎副市長室、2013・7・31)


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HPFhito12・市長室で執務中の上田文雄札幌市長

 「札幌人図鑑」というインタビュー動画サイトがある。札幌人の福津京子さんが組織に頼らず、個人の才覚でプロジェクトを推進している。それも毎日欠かさず、30分もののインタビューを取材から編集まで行ってYouTubeに投稿している。札幌で活躍している人を見つけてきては、その人を際立たせる話をさせている。上田文雄札幌市長も登場している。
 この手法は、ブログとパノラマ写真にのめり込んでいる筆者にとって、示唆に富むものである。インタビュー形式とか毎日といった力仕事にはついていけないけれど、何かこれに類したことができそうである。丁度「パノラマ写真風土記」の構想を暖めていたことあって、その「人」編を考えてみた。
パノラマ写真を撮ろうと思っている人や、たまたま撮影の機会が得られた人について、人となりや写真を採った状況をメモ的に記述する。調べてその人に迫るのは止め、記述はメモ程度に収める。毎日では途中で苦しくなるのは目に見えているので、1ヶ月に10人程度を考える。それでも1年経てば撮影者は100人を超える。
 この企画は頭の隅にあって、これまでも少しは取材をしていて、ブログにも載せておいた。ブログに「パノラマ風土記」のサイトを整備したのを機に、本腰を入れて企画を前進させようとしている。

 札幌市長上田氏は時々何かの機会の機会にお会いするけれど、パノラマ写真を撮る状況ではない。前述の「札幌人図鑑」に上田市長が出演しているのを見て、撮影の機会を狙うのではなく、市長室まで出向いてパノラマ写真を撮らせてもらえばよいのか、と思いついた。しかし、市長秘書室に直接申し込んでも断られる可能性の方が大きい。そこで知り合いの副市長秋元克広氏に頼んで撮影が可能となった。
 上田市長は弁護士から市長になった。桂信雄前札幌市長退任後の最初の選挙では候補者が乱立で、全候補者の得票率が25%を下回り、異例の再選挙となり、上田氏が当選している。現在は3期目に当たる。革新的政策を打ち出して、野党自民党や経済界とせめぎ合いをしている報道を目にする。
 市長室で執務中の様子の写真撮影ということで、机のところに座った写真など何枚か撮ってみる。その中で、立ち上がって近づいて来る写真を採用してみた。この時の写真撮影で上田市長とどんな雑談を交わしたか覚えていない。ただ、エベレストを目指している、という話だけが記憶に残っている。運動不足解消のため、地階の駐車場から10階の市長室まで階段を登るようにしており、その累積距離でエベレスト登山に挑んでいる、とのことである。
 「札幌人図鑑」のインタビューでは冒頭テーマソングを歌う(歌わせられる)ルールがあるけれど、歌うのが趣味の市長は難なくこなしていた。中国でのレセプションと記憶しているが、宴席で市長自らの歌の披露があったのも記憶に残っている。
(2013年7月31日撮影)


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シリーズ1617・「パノラマ写真」ここはどこ

 窓の外に駅ホームが見えています。さて、ここはどこ。


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HPF11・札幌時計台ギャラリー主・荒巻義雄氏

 今年(2013年)の札幌市の芸術賞に荒巻義雄氏ら3名が選ばれた記事が新聞に出ている(北海道新聞・2013・10・22)。荒巻氏は「艦隊シリーズ」等のSF作家として知られ、札幌時計台ギャラリーのオーナーでもある。美術品のコレクターで、多くの蒐集品を芸術の森の美術館に寄贈している。
 このギャラリーでは時たまスケッチ展や写真展を開いていて、荒巻氏とは顔見知りである。ギャラリーの事務所で、SFの構想の下準備なのか、科学技術に関する氏の薀蓄を聞かされたこともある。事務所には奥様や娘さんが詰めていて、ギャラリーの仕事をされている。
 2013年の7月22日~27日、同ギャラリーで「北海道の駅パノラマ写真展」のグループ展を開催した。その写真展に顔を出した荒巻氏のパノラマ写真を撮った。氏の近くで椅子を勧めているのは、共同出展者の林克弘氏である。受付のところに座ってビールを飲んでいるのは、同じく共同出展者の福本義隆氏である。
 この写真展では「爪句@北海道の駅-道南編1」(青木曲直・共同文化社・2013)の豆本爪句集を販売し、100冊以上売れた。これは福本氏のセールスマンの才能が生かされた結果である。


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HPF10・道功労賞贈呈式の高橋はるみ北海道知事

 平成25(2013)年度の北海道功労賞を贈呈されることになった。表彰名目は「IT産業の振興」である。10月16日、ホテル札幌ガーデンパレスで贈呈式が行われ、高橋はるみ知事より大きな額に入った表彰状が手渡された。他の受賞者は「鉄鋼産業の振興」で鈴木俊幸氏、「北海道農業の振興」で矢野征男氏である。
表彰状には「あなたは永年にわたりIT産業の育成に尽力され北海道を日本のIT産業の一大拠点とする源流を作るとともに大学と企業を結ぶ人的技術的交流の活発な活動などにより本道のIT産業の振興に多大の貢献をされました」と記されている。
 祝辞は北洋銀行会長の横内龍三氏より頂いた。受賞者の短い挨拶の際に「高橋知事は北海道経済産業局長時代に『ITとバイオの両輪』で北海道産業牽引構想を提唱しておられました。知事となられてから、私がプログラム委員長となり、札幌学院大学で開かれた全国規模の情報技術に関する学会で特別講演をしていただきました。ここで改めて知事に感謝いたします。」と知事にお礼を述べた。
 贈呈式に続く記念撮影の合間に知事にパノラマ写真撮影をお願いする。知事はパノラマ写真がどのようなものであるか知らなかったので、撮影中に移動して二人の知事になって写っている。一方を消すこともできるのだが、同じ空間に同人物が写っているのも面白いと、あえて消さないで記録した。


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サークル会館のレリーフ「ボーイズビーアンビシャス」

レリーフと 思いがけずの 初対面 

島松で 先生見送る 名場面

 陸上競技場に面しサークル会館がある。サークル会館のホールに「ボーイズビーアンビシャス」と銘打たれたレリーフがある。「クラーク先生レリーフ作成会」が函館出身の彫刻家梁川剛一に依頼して1980年に制作されている。札幌農学校の1期生大島正健の添文も飾られている。レリーフはクラーク先生が島松駅逓で馬上の人となり、札幌農学校関係者の見送りを受けている場面を描いている。大島はこの時のクラーク先生の言葉を「青年よ大志を抱け」の名言に訳している(2013.9.26-10)


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博物館建築で国内最古の北大植物園博物館本館

 植物園内にある博物館本館の建物は、1877年に開拓使が札幌偕楽園に設置したものが始まりである。この経緯で建物の正面には開拓使のマークの五稜星のデザインがある。開拓使が廃止され、1884年に札幌農学校に移管されて現在に至っている。現役の博物館建築としては国内最古のもので、植物園の緑に囲まれて静かに時を刻んでいる。館内には北海道の動物のはく製と並んで、園内で余生を送った南極圏タロのはく製や、明治期に絶滅したエゾオオカミのはく製がある。(2013.9.19)

博物館 建屋生き延び 最古なり


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五稜星 出自を語り 博物館

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弓道場で練習する学生達

 サクシュコトニ川の傍に弓道場があり、部員達が稽古着で身を固め練習をしている。弓道はスポーツというより「道」の競技である。武術から武道に変身した日本古来の競技は「技」を競う前に「道」を求める精神が大切にされる。精神は形から入る。練習している学生達は立っていても座っていても背筋を伸ばし、形を決めることに気を配っている。道場の扁額には「正射必中」の文字がある。形を正して射てこそ必中が見える。的を射抜く音がする夏の練習日である。(2013.9.17)

弓道場 競技道なり 練習日


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形決め 正射必中 的の音

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圃場としての第一農場のヒマワリ畑

 第一農場には種々の作物が植えられている。研究テーマ毎に作物が育てられていると推測できても、何の研究なのかはわからない。圃場としての農場にヒマワリ畑が出現している。札幌市内でヒマワリは普通に見られるけれど、畑となると都心部では見ることはできない。ヒマワリ畑の先の方に見えるのは平成のポプラ並木である。北大の留学生もこの光景は珍しいらしく家族揃って足を運び記念写真を撮ったりしている。ヒマワリはこの後緑肥として畑に漉き込まれた。(2013.8.16)

都心見る 隠れ景観 花畑


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ヒマワリも ポプラも伸びて 夏圃場

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