HPFhito70・地域政策の提言をする北大公共政策大学院副院長石井吉春教授

 道新文化センターの講座「身近な都市秘境を歩いてみよう」を受け持っていて、長いこと続けていると未訪問の見学先を見つけ出してくるのに苦労する。「秘境」の言葉を冠しているけれど、人跡未踏の意味の秘境ではなく、一般市民が足を踏み入れることの少ない都会の中の場所、といった程度の定義である。
 この定義なら、北大の研究室ならどこでも都市秘境になりそうである。そこで顔見知りの先生達に研究室や施設の見学をお願いしている。北大も組織や機構改革でどんどん新しい大学院や研究機構ができている。10年前(2004年)に公共政策大学院と共に法科大学院、会計大学院が北大にも設置されていている。以前の学部と大学院が一体化した大学組織から見ると、秘境的大学院に見えなくもない。
 北大の公共政策大学院副院長の石井吉春教授と朝食会を介して顔見知りであったので、前述の都市秘境巡り講座の2014年春コースでの見学をお願いしていた。その石井先生にクラーク会館でばったり出会ったので、その場で石井先生の教授室でパノラマ写真撮影と簡単なインタビューをさせてもらう。
 石井先生の部屋に入って意外だったのは、室内がすっきりと片付いている事である。大学の教授室は押しなべて本や資料、理系では実験器具や用具、なかには趣味に使う道具と、乱雑と表現してもよい雰囲気にある。石井先生は実務を教えるということで銀行から転身してこられたので、銀行時代の整理整頓の習慣が身についているせいかと推測してみる。
 石井先生は1954年生まれの仙台市出身である。大学は一橋大学商学部を卒業し、1976年北海道東北開発公庫(現日本政策投資銀行)に入庫している。日本政策投資銀行の四国支店長から2005年北大の教授として赴任した。北海道との縁は1998年に小樽商科大学非常勤講師、2001年旭川大学非常勤講師、2002年北大大学院非常勤講師と続いていて、最終的に北大人として勤務することになった。
 講義や研究テーマは地域財政金融論に関わるものである。大学院の名前の通り修士生を教えている。しかし、理工系の修士課程の学生のように、研究室に属して修士論文を書き上げることで修士号を取得するのとはかなり異なる修士課程のようである。学生が研究室に属することはなく、修士論文を書く必要もないらしい。学生が履修した専門を尋ねられることがあるけれど、ここの大学院修了生は大学院に進学する前の学部の専門を挙げるそうである。確かに、公共政策学といっても他の人には漠然とした学問である。
 実務を教える立場での石井先生の話は、現場の地方公務員や首長に即役立つもののようである。各種の学外の委員会の委員を務め、インタビューを受け、提言を行って、精力的に学外に発言しているのを新聞、雑誌でみている。平成の大合併に関する先生のインタビュー記事を読むと、地方自治の問題点が見えてきて、なるほどと思う。
 仕事の他に好きでやっている事なども聞いてみる。テニスを週1回ほど楽しんでいるとのことで、自分で行うスポーツが好きなようである。頂いた名刺には高知県観光特使と刷られていて、こちらは趣味というより仕事の延長のものであろう。


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(北大公共政策大学院教授室での石井吉春教授、2014・5・12)

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恵迪の森のオオバナノエンレイソウ

校章が そこここにあり エンレイソウ

北大の校章はオオバナノエンレイソウである。春、恵迪の森に沿った舗装道路から三枚の白い花弁、三枚の緑の萼の均整の取れたこの花が群生しているのを見ることができる。見つけてほしいといいたげな花のパノラマ写真を撮る。(2014・5・12)



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付属病院横で枝垂れ桜と並ぶ着衣の母子像

 付属病院の大きな建物の東側に植木のある草地があり、医学で功績のあった人物の胸像が幾体かある。それらの像と並んで南の端に本田明二制作の「母子像」がある。財団法人協斉会が創立65周年を記念して寄贈している。母子像は母子共に裸のものが多いなか、この母親像は着衣姿である。病院ということで、裸の母子像では人体を感じさせ生々しいので、それを避けたためかと思ったりする。像の横にあまり見かけない枝垂れ桜があり、足を止めて桜を鑑賞する人も居る。(2014.5.12)

春本番 病の人も 桜見る


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母子像で 着衣の母の 珍しき

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落書きが目に飛び込んでくる恵迪寮ホール

 恵迪寮の乱雑ぶりは昔も今も変わらない。玄関に所有者のはっきりしない履物が乱雑に置かれている。立看がありビラが散乱している。ホール床の畳の用途が不明である。壁には落書きがある。毎年寮生による寮歌作りが続いているようで、作品選考の投票結果が壁に記されている。壁の落書きを見ると、平成20(2008)年は第百回記念祭が行われたようで、その記念歌「雲海貫く」が選ばれた。この年恒例で選ばれた寮歌は「星の舟唄」で、二つの寮歌がある年になっている(2014.5.12)

ホール床 何する畳 不明なり


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伝統の 寮歌選びの 落書(らくしょ)なり

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学外には知られていない医学部横の八重桜並木

 北13条通が構内に入った両側のイチョウ並木は、秋の札幌観光の名所に定着した。このイチョウ並木と並び、春に見応えのある並木が医学部横の八重桜である。メインストリートに沿って、東側に寄った小道にこの並木がある。並木は学外言うに及ばず学内にもあまり良く知られていない。従って、満開の時期に花見客で混むこともなく、人通りを気にせずにパノラマ写真を撮ることができる。この時期は白樺の新緑の薄緑色も目に爽やかに映り、八重桜を引き立てている。(2014.5.12)

ひっそりと 無名の並木 見事なり


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見上げれば 花枝交差 八重桜

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恵迪寮の赤褌人物の壁画

リラ誘う 門から入りて 寮壁画

 リラ並木のある石山通に面した門から構内に入ると、恵迪寮がある。寮の壁には赤褌の人物の描かれた壁画が見える。第百回恵迪寮祭を記念して寮生により2009年の3月に描き上げられていて、完成日の日付もある。(2014・5・12)


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北大植物園内にある北方民族資料室展示室

 北大植物園は植物に関する研究のみが行われ、植物の生きた標本を園内で観察できる場所としか思っていなかった。しかし、植物園内には博物館があり、植物のみならず動物の標本も展示されている。さらに北方民族の資料が収集され、その展示室もあり、歴史を専門とする研究者が植物園に配属されている。近年国がアイヌ文化を保存するため乗り出し、国立の博物館設置の計画を進めている。この状況もあって、植物園を訪れる人の足がこの展示室にも向いてきている。(2014.5.5)

植物の 利用見えるか 展示室


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民族の 文化詰まりて 狭き部屋

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HPFhito69・ビール文化を語るサッポロビール北海道本社代表高島英也氏

 月1回の勉強会「eシルクロード大学」をサッポロファクトリーの会場で行っている。勉強会終了後は同商業施設にある「ビアケラー札幌開拓使」でビールを飲んでいる。サッポロビールの北海道本社はサッポロファクトリーに入居しており、同社代表の高島英也氏のパノラマ写真インタビューの待ち合わせ場所は、このビアケラーの名前のつくレストランであった。なおビアケラーとはビールを保管しておく地下室の意味のドイツ語である。
 ビールで思い出す国はまずドイツである。札幌の姉妹都市のミュンヘン市もビールで名高いドイツの都市である。今回高島氏の取材で、在札幌ドイツ連邦共和国栄誉領事事務所がサッポロビール北海道本社に併設されているのを知る。高島氏の名刺には書かれていないけれど、高島氏はドイツ連邦共和国名誉領事ということになる。ただ、この名誉領事事務所は、以前北海道電力内にあったものが最近サッポロビール北海道本社の方に移ってきている。
 高島氏は本社に自分の部屋は特に持っておらず、大部屋に社員と机を並べているので、名誉領事事務所でパノラマ写真を撮らせてもらう。インタビューの方は、前述のビアケラーで北海道限定のビールを飲みながら行う。
 高島氏は1959年に福島県保原町(現伊達市)に生まれている。東北大学に進学し農学部農芸化学を専攻し、卒業後サッポロビールに就職している。就職時にはサッポロビールの他に他社の選択肢もあったけれど、サッポロビールを選んでいる。他社でなくサッポロビールを選んだ理由を聞いてみる。面接でサッポロビールの社長の耳を見ると、ラクビーをしたことのある人の耳に似ていて面白そうであったから、といったような話をされた。因みに氏は学生時代にラクビーの選手であった。社員とスクラムを組んで力で相手企業を押し込む現在の立場は、ラクビーの試合を続けている気持ちであるのかもしれない。
 高島氏の企業家としてのこだわりは、同社発祥の地の北海道に収れんする。大麦、ホップ、銘柄によっては米を全て道産のものを用いて造る。道民に愛飲されるビールにして、販売でも北海道地域ではシェアのトップを堅持する。ビールに道産米というこだわりも他社では聞いたことがない。銘柄によっては、米に豊富なデンプンをビールの副原料として用いるとのことである。高島氏はビールの製造部門に長らく携わってきており、氏にビールの話を聞くとビール通になりそうである。
 高島氏は日本ビール文化研究会を立ち上げている。この研究会では「日本ビール検定」も行っていて、北海度の受験者は高成績を収めているとのことである。
ビール文化についても話は展開する。会合で最初の飲物は決まってビールになる。乾杯でもビールのコップを片手となり、最初の飲物がビールと決まっているのは一つの文化かもしれない。文化とは暗黙の了解事項が要素を構成している。ビールに合う料理となれば食文化につながっていく。ただ飲むだけではなく、ビールをもっと知る必要がありそうだ。ビール検定もそう思った人が受けているのだろう。
 現在54歳の高島氏に退職後にしてみたい事をきいても的外れ思いながら聞いてみる。意外なことに幼稚園を経営してみたいとの答えが返ってくる。氏の幼稚園時代の原体験が、幼い頃からの人材養成をしてみたい、という思いにつながっているようである。動物を見るのも好きで、時間が取れると円山動物園に行き動物を眺めるそうである。シマフクロウの話も出ていて他から薦められた訳でもなく、一人で考えて「北海道シマフクロウの会」に入会したそうである。今度フクロウの写真を撮って、俳句もどき(爪句)と説明文の原稿を集めて最終的には爪句集豆本を出版する話をしたら、原稿を出してもらえそうであった。


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獣医学部前広場のコブシ

地の緑 戻る準備や コブシ花

 獣医学部の建物の前に広場があり、春先白い花を枝いっぱいに付けた木が目を惹く。コブシか白木蓮で、花の形からコブシだろう。木の下の芝生の方は未だ枯葉や枯草が目立つ。コブシの花が終わる頃、芝生に本格的な緑が戻る。(2014・4・29)


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花も球児も待った春の到来

早春花 枯草押しのけ 春息吹き

目に入るは 花と球児の 学府春

 自宅の庭のエゾエンゴサクが咲いたので北大構内の恵迪の森の様子を見に行く。エゾエンゴサクの青紫とキバナノアマナの黄色が、勢いを増した草の緑の中にある。オオウバユリの葉が陽の光を反射して輝いている。木の枝の葉は遅れていて、スプリングエフェメラルの花々に陽の光が注がれている。見通しの良い林の向こうに野球場が見え、球児達の練習する姿を望遠レンズで撮ってみる。花も球児も、待っていた季節の到来で、毎年目にする学府の春の風景である。(2014・4・29)


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