経済界倶楽部札幌11月例会でアパホテル社長の元谷芙美子氏の講演を聞く。演題は「私が社長です」で、これは同氏のキャッチコピーでどこの講演会でもこの演題で話をしているようである。自身の露出度を高めることにより、社長自らが自社の広告塔になる戦略である。
配られたノベルティグッズはレトルトカレー、インスタントコヒー、ミネラルウォーター等で、どのグッズにも同社長の派手な帽子姿の顔写真が印刷されている。これだけ徹底して本人を売り込まれると、実体がなければ冷笑の対象にしかならないだろうが、アパホテルという日本のホテル業界でNo1を狙うまで急成長してきている同社の社長として納まっている事実は、この露出戦略の説得力を感じさせる。
もっとも、アパホテルを起業してここまで成長させたのは、芙美子氏の夫の元谷外志雄代表の起業家並びに経営者としての才覚によるもので、芙美子氏はマスコット的存在で営業活動の方面でアパホテルの成長に貢献している。
以下はネット情報で拾ったものである。芙美子氏は1947年7月8日福井県福井市で生まれている。1歳の時福井地震で奇跡的に助かり、福井県立藤島高校卒業後福井信用金庫に入行し、小松信用金庫勤務の外志雄氏と知り合い結婚。1971年外志雄氏が起業した信金開発株式会社(現アパ社の前身)の取締役を経て、1994年現職に就く。2001年法政大学人間環境学部入学、2005年卒業。早稲田大学大学院公共経営研究科入学、2006年修士号を取得している。
講演はアパホテルの成功譚を軸に、色々なエピソードが披露された。その中で元谷夫妻の機微を語る話として、インドのタージマハル廟旅行での夫婦の会話がある。芙美子氏がこの世界遺産にもなっている廟に葬られているマハル妃が、王にかくも愛されていたのかと夫の外志雄氏に言う。対して外志雄氏は、アパホテルの建物群を芙美子氏の働き場所として与えているではないかと応え、芙美子氏がタージマハル廟にも劣らない贈り物を外志雄氏から受け取っていると再認識した逸話である。夫婦間の惚気話でもあるとしても、事実を述べている話でもあるので聞くに値する。
講演会後の立食の昼食会で芙美子氏のパノラマ写真を撮る。露出度を高める演出のためいつも着用している派手な帽子姿で集まった人と名刺交換をしている。こんな場では長めの話もできず、インタビューというにはあまりにも短い時間の名刺交換で(筆者はパノラマ写真の爪句集を名刺代わりにする)、写真撮影のため会場で少しの間動かないで立ってもらっただけである。ただ、後で何かの話をする時にデータとして利用できるかもしれない、ということで芙美子氏を撮ったものをパノラマ写真メモとして残しておく。
(2015・11・6 札幌プリンスホテル国際館パミール)
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