ホテルでのメンバー制の月一の朝食会で、新メンバーに加わった札幌今井三越社長の竹内徹氏が、伊勢丹新宿本店のメンズ館のリモデルに関わった経験談を話されたのを聞いたことがある。男性化粧品は従来女性化粧品売り場の隅にあったけれど、男性が女性に交じっては買い難くかろうと、男性用化粧品の売り場を別に設けたらこれがヒットした、などの話が頭に残っている。現場を観察していると、新しいことが見えてくるとのことである。
前記朝食会の別の日に竹内氏にパノラマ写真撮影とインタビューをお願いすると、朝食会後に札幌今井三越の社長室での撮影ということになる。ホテルから会社まで歩きながらのインタビューである。
竹内氏は1960(昭和35)年東京都の生まれである。氏の生年は安保闘争で全国が騒然としていた年である。早稲田大学商学部に進んで、大学時代にラクビーに打ち込んだ。大学卒業後も社会人リーグで活躍されたそうである。話で、ラクビー、柔道、レスリング等のスポーツをやった人の顔をみるとわかるそうで、耳が押しつぶされたように頭についているとのことである。確かに氏の顔を見るとそうなっている。これから初対面の人をみたら、耳の特徴を見てみようと思った。
大学を卒業して伊勢丹に入社する。1990年にはマレーシア・クアラルンプールに伊勢丹マレーシア店を立ち上げるために赴任している。4年間のマレーシア滞在後シンガポールの伊勢丹に3年間勤務して、帰国後前記のリモデル・プロジェクトに携わり、2013年札幌に社長として赴任している。
初めて入る札幌今井三越の社長室の廊下には、以前は今井家の歴代の当主の胸像があったそうで、今は今井家の発祥の地である新潟県三条市の方に送られて残っていない。会社の今井家の記憶は、新社名にかつてのライバルデパートの三越と連記されて残るぐらいである。
社長室の竹内氏が座っている机にはラーメンの丼ぶりが置かれている。本物ではなく作り物であるけれど、自称B級グルメの竹内氏はラーメン大好き人間である。1年前札幌に赴任してから、味の三平を皮切りにもう77軒は食べ歩きをしたそうである。道内も積極的に歩き回っていて、食べ物のおいしい北海道を満喫しているようである。
札幌赴任で目指すことは、JR札幌駅の大丸札幌店を中核にした駅前地域に対抗して、大通地域を盛り立てることである。現状ではなかなか難しいことでもあると思われるけれど、ラガーマンの根性で、チームでこれを推進しようとしているのが短い会話から伝わって来た。(2014・6・19)
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