無名会というホテルでの朝食を摂りながらの勉強会に出席している。主宰者は元北海道拓殖銀行常務の石黒直文氏である。会のメンバーの一人に元北海道知事の堀達也氏がおられ、時々顔を出される。堀氏が出席の回でたまたま席が隣り合わせたので、パノラマ写真撮影を依頼する。勉強会が終わってから同氏のオフィスに出向く。
都心部のオフィスビルの2Fに氏のオフィスがある。このオフィスとつながって、在札幌スペイン名誉領事館の部屋があり、堀氏はスペイン名誉領事を務めている。現在の堀氏の公職は道体育協会会長、道森と緑の会理事長、北方領土復帰期成同盟理事長などで、このオフィスはそれらの公職のために用意されたものなのだろう。
オフィスでパノラマ写真撮影後短時間のインタビューに入る。生まれは1935年で、出生地は樺太(現ロシアサハリン州)である。終戦と同時に遠軽に引上げて、遠軽高校から北大に進学している。引上げ時は10歳であったので、樺太の記憶はあり、サハリンを訪問した機会を利用して生地ボロナイスクを訪れて見たかったそうである。しかし、州都ユジノサハリンスクから生地までは遠く、訪問の機会を逸したとの話である。
北大農学部林学科卒業後北海道庁に入庁して林務部で仕事をし、知事室長、道公営企業管理者、横路孝弘知事の下で副知事、1995年に北海道知事選に出馬して当選する。この時の選挙戦で争った相手は衆議院議員伊東秀子氏である。当時筆者は堀氏よりは伊東氏に面識があった。
知事時代にもっとも印象に残った出来事はと聞くと、やはり拓銀の破たんとの答えが返ってくる。知事を2期8年務めて知事職を辞し、その後札幌大学理事長、北海道開拓記念館長等を務めている。知事時代の回想録の執筆はしないのか聞いてみると、インタビューに応じた「北海道知事という仕事」が出版されていた。1万部印刷されたそうで、道内出版物としては部数が多い。しかし、この著作は読んではいない。
ゴルフが好きなようで、ゴルフを話題にすれば話は発展するのだろうけれど、当方ゴルフのクラブも握ったことはないので、話を向けるのは無理である。若い頃の仕事が森林に関する事であったので、北海道の山は至る所分け入っているそうである。しかし山登りで頂上を極めるといった事ではないようである。70才頃まではゲレンデスキーを楽しんでいた。
ネットで検索して堀氏の記事を読むと、政治家としては当然ながら、毀誉褒貶がある。ここら辺の事を聞いてみたい気もしたが、目的はパノラマ写真撮影なので、インタビューは世間話程度で終える。パノラマ写真を合成してみて、笑顔の堀氏が写っていて安心する。
(2014.5.22 オフィスでの堀達也氏)
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